勇者と相棒の竜により拓かれた国、ウィズレイン。 男爵家の養子であるエルナは義姉ローラに虐げられる日々を過ごしていた。しかしある時、水をかけられたことをきっかけに、自身の前世が国を守護する竜だったことを思い出す! 前世で「人間になりたい」と願っていたエルナ。転生したことを喜び、虐めも気にならないように。 そうして“人生”を謳歌し始めるエルナだったが、国では勇者の遺した言葉に従い、成人した娘を集め竜の生まれ変わりを探していた。 エルナもローラと登城するが、ローラがエルナから取り上げ身につけていた石が竜の鱗だと判明!? ローラが生まれ変わりだと認定されてしまう! そこに現れた国王クロス。瞬間、エルナはクロスが勇者の生まれ変わりだと気がつく。 再会の喜びを胸に見つめるエルナ。しかし、クロスには前世の記憶がないようで……? ――これは竜の少女が前世の友と再会し、人として生きる意味を見つけるお話。
“雨とともに”という題名の通り、切ない雨が心に降るようなお話。 生まれ変わっても、元の自分ではないし、元の相手ではない。わかっていても、心が元の相手を求めたり伝えたかった心が今の自分を切なくさせる。 過去の自分の心が泣くのをなだめられるのは、これから成長してゆく自分と寄り添ってくれる相手。 『変化とは、とても恐ろしいもののように感じる』けれど、寄り添ってくれる相手と手を取りあって今の自分を生きていく。きっと幸せになれるよ。
|